離婚の方法には大まかに分けて「協議離婚」「調停離婚」「審判離婚」「裁判離婚」という4つの種類があります。最も多いのが、第三者や裁判所の介入がない夫婦の話し合いによって合意する「協議離婚」です。「離婚届」を役所に出すだけの離婚ですね。
日本の離婚の9割が協議離婚ですが、協議による離婚の合意ができない場合、家庭裁判所に申し立てをし、調停委員が間に入って話し合いをする「調停離婚」、それでも話がまとまらなければ、裁判官が職権で審判をする「審判離婚」となります。調停でも離婚が成立しない場合、夫婦どちらか一方から家庭裁判所に離婚の訴訟を提起し、裁判所に判決を求める「裁判離婚」となります。
離婚裁判を起こす費用として、まずは弁護士に依頼せず自分で起こす場合についてみていきましょう。
◆戸籍謄本代 : 450円
戸籍謄本は本籍地をおいている役所で取得でき、離婚裁判を行う際に必要となります。
◆収入印紙代 : 1万3000円 〜
裁判所に離婚の訴えを提起する場合には、手数料として法律で定められた印紙を貼付しなくてはなりません。離婚のみの訴えだけで金銭的な請求をしない場合は、印紙代は1万3000円となります。また離婚だけでなく財産分与を求める場合は、1200円分の印紙が追加され、養育費を求める場合は、子ども1人につき1200円分の印紙が追加されます。また、慰謝料を請求する場合は、請求額に応じて1000円〜印紙代が追加されます。
◆郵便切手代
裁判所からの連絡用に「予納郵券」という郵便切手を提出する必要があります。裁判所によって異なりますが、6000円程度必要となります。
次に、離婚裁判を弁護士に依頼した場合の費用について説明しましょう。
◇相談料
離婚裁判を弁護士に依頼する為に、どのように裁判を進めて行くのかを相談する費用で、相場としては30分5000円程度でしょう。初回は相談料無料の弁護士事務所も多くありますので、費用を安く抑えたい方は、こういった弁護士事務所を利用するのもよいでしょう。
◇着手金
弁護士に離婚裁判を依頼したときに支払う初期費用です。これは、結果の成否に関わらず必要となります。相場としては、20〜40万円としているところが多いです。
◇成功報酬金
裁判により、離婚が成立し、無事に解決した事に対する報酬として支払う費用です。相場としては、30〜60万円です。これに加えて、慰謝料や財産分与などで獲得した金額に対して、10〜20%を支払う事になります。
◆実費
収入印紙代など、自分で離婚裁判を起こす場合の費用と同じだけの実費がかかります。また、弁護士の交通費や通信費、弁護士が遠方の裁判所に出張する場合などは、交通費以外に日当がかかる場合があります。前述の離婚裁判を起こすための費用が、こちらに含まれるのが通常です。
離婚裁判の弁護士費用は、自分と相手方、どちらが負担するのでしょうか。日本では、弁護士費用は原則自己負担になります。離婚裁判を弁護士に依頼すると高額な費用がかかりますが、弁護士に依頼する事によって得られる多くのメリットがあります。
まず離婚裁判の申し立てには法律の知識が必要な書面が多いため、書面作成や手続きを任せる事ができます。また弁護士が代わりに裁判所に出頭してくれるため、自分で裁判所に行かなくてすみます。
また離婚裁判は、こじれてしまった関係性である事が少なくないため、本当に大変な労力がかかり、心身ともに疲れ切ってしまう方も多い裁判です。第三者である弁護士に依頼する事で、様々な心理的な負担が軽減される事でしょう。
以上のような、離婚裁判にかかる費用や、のしかかるであろう心理的負担を理解した上で、常に冷静に考えベストな判断ができる弁護士という存在に、相談することも検討してみてはいかがでしょうか。
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