1日8時間、あるいは週40時間を超えて働いているのに、残業代が払われない!!
待ってください、手続きにのっとってきちんと請求すれば、未払の残業代はきちんと支払われます。
残業代については、14.6%の割合による遅延損害金が発生するので、企業側にしても支払わないことのペナルティは非常に大きなものになります。また給与未払いには刑事罰もあります。
たまに、労働基準監督署が入り事業者が未払いの残業代を払うったなどというニュースを見ることがあります。しかし、原則としては、個人が請求をしないことには支払われないのがほとんどです。
こういった残業代の未払いについては、雇い主も気が付いていない場合が多くあります。
つまり、給料のシステム自体が間違っているとか、雇い主自体が残業の存在に気が付いていということがあります。
例えば、ニュースになったヤマト運輸の残業代は、サービス残業をしていた社員を会社が把握しておらず、一部社員の訴えで社内調査をしたところ巨額の残業代が未払だったという事例です。把握していてほっといたんじゃないか?という意見もあるでしょうが、表向きはこのとおりです。
また別の例で言うと、マクドナルドの残業代請求の事件では、雇い主であるマクドナルドが、店長は管理監督者に該当し、法律上残業代を払う必要が無いと考えていたものの、裁判所は店長は管理監督者には当たらないと判断した事例です。
これらの事例は、残業代支払義務を会社が認識していないのが特徴です。会社にきちんと残業代未払があると分からせるこちができれば、支払われることがほとんどです。
退職後でも時効にかかっていなければ、残業代はきちんと支払われます。
在職中に請求した場合には、証拠の収集、資料の準備といった面で実は有利なこともあります。しかし、今まさに自分が働いている職場に対して残業代を請求するというのは、日本人の気質からしても、勇気がでないし、働くにしても気持ちよく働けないのが通常ですね。特に、「和」を重視するという日本人の感覚からすると、「お世話になった勤務先を訴えるなんてとんでもない」という考えがまだまだ根強くありますから、まして勤務中に訴えるなんて・・・という感じの方も多いと思います。。
私個人としては、この考え方自体にいいところはあると思っています。
こういった事情もあり、当事務所においても残業代請求を行うのは多くのケースでは退職後です。
ただもちろん、在職中に行った事例もあります。
比率でいうと、厳密に記録を取っているわけではありませんが、在職中が1割から2割程度です。
残業代を含めた給料は、支払日から2年間で時効になります。
例えば、2019年1月25日に払われるはずの残業代を含めた給料は、2021年1月26日になったら時効になるわけです。
当事務所であった事例ですが、7年間働いて全く残業代が支給されず、退職してから請求したのですが当然2年分のみしか請求できないということがありました。これはよくあることです。つまり、2年以上働いていると損をしているのです。
このように、残業代が請求できる期間は、他の債権と比較しても短く制限されています。
過払い金などより、よほど早めに請求する必要があります。
なお、残業代の請求を行えば時効は半年間停止します。
請求した事実を立証するためには内容証明郵便、電子メール等送信の事実が確認できる手法で行う必要があります。
しかし、この請求の効果は半年しか続かず、これを繰り返すことはできません。
時効を完全に停止するためには、労働審判または訴訟の手続が必要になります。
そのため、当事務所では依頼を受けてから3~4か月程度の交渉で解決できなかった場合には、労働審判を申立するのが通常になります。
以下のパターンは、未払残業代が発生していることが多い職種・働き方です。
詳細はまた別に譲ります。
①歩合給が払われているが、残業代という名目ではない。
→トラック運転手、営業社員など
②外回りが多い
→営業職、運転手
③裁量労働制と言われている
→エンジニア、企画職、管理業務等
④管理監督者であるとされている
→飲食店店長、マネージャー業務、課長職
サービス残業、当たり前だと思ってあきらめていませんか?
残業代は請求すれば戻ってくるものです。
退職後に請求するのが一般的ですが、在職中でも請求できます。
遠慮せずいつでもご相談ください。
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