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執筆者の写真家頭 恵

外回り営業さんの残業代請求事例



残業代問題が発生する業種として「外回り営業職」がよく挙げられます。

  1. 保険営業

  2. 住宅販売営業

  3. ケーブルテレビ等の営業職

  4. 訪問販売・買取業

  5. 食品などのルート営業

など、要するにオフィスの外に出て営業活動・労働を行う従業員を指します。営業職が多いですが、コンビニ店舗や工事現場などを見回るマネージャーなども含まれます。

主な要因は2つあります。


  1. いわゆる「みなし労働時間制度」を適用していると会社が考えている場合

  2. 営業職に対して歩合を支払っているため、それが残業代の代用になっていると会社が考えている場合


上記で「会社が考えている場合」と記載したのには理由があり、いずれも法律を会社が勘違いしているという意味です。


それでは、どういう勘違いを起こしているか見ていきましょう。

みなし労働時間制度とは、出張や外回りといった事業所外の労働については、労働時間算定が困難であることから、所定労働時間を労働したとみなす制度です(労働基準法第38条の2)。


しかし、スマートフォンや勤怠管理ツールが普及した現代においては、会社が労働者を管理できない状況は考えにくく、この法律が適用されることは無いでしょう。


厚生労働省の告知では、ポケットベルで労働時間を管理している場合ですら、みなし労働時間制度が該当しないことになっています。ポケットベルという記載がなかなか古さを感じますが、現代はさらに情報化社会になっておりみなし労働制度はそれだけ適用されません。


また、労働時間がみなしとなるのは、「外回り業務」だけです。そのため、外回りしてオフィスに戻り勤務を続けた場合、内勤時間はみなしには含まれません。


営業職の多くは、外回りでお客様と会った後、オフィスに戻って来て内勤をします。そこで、報告書の作成や、電話での営業活動、パソコンへのデータ入力等の業務があるのが通常です。その場合も、勘違いしている会社は内勤時間も「みなし労働」としてしまい、残業代を未払いにしてしまうことが多くあります。

「営業手当」「外回り手当」「職務手当」といった名称で、これを「残業代として支給する」と定めている会社があります。


このような形で残業代を支給するには、以下要件があります。


  1. 法律にのっとった計算方法で支給額を定め、何時間分の残業代か契約書等に明記する

  2. 契約で決まった残業時間をオーバーして労働した場合には、残業代の差額を支給する


1. を守っていない会社は論外ですが、実はよく見かけます。

1. を守っている会社でも、2. 、すなわち残業時間をオーバーの場合の差額支給をしていないことは、多々あります。

こういった会社側の勘違いで、残業代未払いが発生するのです。

外回り営業の場合、どの営業先に何時に行ったか、何時に帰社したのかといった記録がつけられていることが多いです。そのため、通常の従業員同じようにタイムカードを打刻している場合には、請求が簡単です。


そうでなくても、業務日報等があり労働時間を常に報告している場合、外回り先・営業先をメモしている場合等、労働した証拠が残っている場合が多くあります。


また、多くの外回り営業職の方は、ただ単純にお客様のところに行ってモノを売る営業のみではなく、報告書の作成やお客様へのプレゼンの実施、事務所当番といった内勤作業も義務付けられている場合があります。


そのため、外回り営業職は、労働時間の把握が容易で、証拠が残りやすい業種と言えるでしょう。

  • 一応の残業代支給はあるが、労働時間に比例した残業代の計算がなされていない

  • 歩合給が支給されているが残業代は支払われていない。会社に聞いても「残業代は歩合に含まれている」と言われた。

  • 拘束時間は1ヶ月で230時間以上あるが、歩合給しか支払われていない。

  • どれだけ働いても給料は同じ。

  • ボーナスだけ歩合で変動するが、それ以外の月の給料は同じ。


以上のような外回り営業の方は、残業代請求できる場合があります。ぜひ、一度船橋リバティ法律事務所へご相談ください。





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