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執筆者の写真家頭 恵

任意整理:成功率アップのポイントとは?

 弁護士に債務整理を依頼する場合、選択肢は3つあります。それは、任意整理、自己破産、そして個人再生です。


 このうち法的な手続ではなく債務の分割払いを交渉する任意整理を選択した場合には、成功例と失敗例があります。

 ここでの成功とは、分割払いと和解契約をした上で完済できることであり、一方の失敗とは、完済できずに自己破産や個人再生へ切り替わってしまうことです。


 それでは、その任意整理の「成功率」を上げるために何か方法はあるのでしょうか。

 弁護士が考えるポイントとしては、次の4つがあげられます。


①なるべく分割回数を増やして、毎月の支払を減らすこと

②支払開始時をなるべく遅らせること


 これらの点は、弁護士と債権者との交渉次第になります。

 依頼者様のなかには、早期に支払を開始することを希望する方がいらっしゃいます。たしかに和解日までの損害金のことなどを考えると、早めの支払というのはメリットもあります。


 しかし支払いを早めても返済総額は変わりませんし、そもそもの生活基盤が安定しないうちに和解を進めることはないと思います。繰り上げ返済も可能なのですが、これも収入に余裕ができたときに初めて検討する、くらいに考えておくとよいでしょう。


③貯金をすること


 実はこうした緊急支出の存在を考えずに和解をしてしまい、結局、途中で任意整理に失敗してしまうというのはよくある話です。す。臨時出費の例としては、一定のサイクルで発生する車検や賃貸物件の更新料、病気やケガ、事故、冠婚葬祭等があります。


 その間は、収入を消費者金融などの支払に使う必要がありません。そのため、貯金も可能です。むしろ、この段階で一定額の貯金ができないのであれば、任意整理で毎月支払っていくことも困難であると考えられるため、注意が必要です。


 もし貯金があれば、任意整理の支払い期間中に何らかの臨時的な支出があった場合にも、毎月の支払を継続することができます。臨時出費の例としては、一定のサイクルで発生する車検や賃貸物件の更新料、病気やケガ、事故、冠婚葬祭等があります。


 実はこうした緊急支出の存在を考えずに和解をしてしまい、結局、途中で任意整理に失敗してしまうというのはよくある話です。


④日常生活を見直すこと


 これは法律ではなく支払期間中の生活という観点になってしまうのですが、個人的に「努力によって支出を減らす」というのは、かなり困難なことだと思っています。また、空いている時間に合わせて追加でアルバイトをする等といった収入を増やす努力も、正直なところなかなか難しいです。

 そもそも例えば食費、お酒やたばこといった嗜好品、遊興費(趣味のお金)を減らせたり、アルバイトで収入が増やせるなら、債務整理という手段に頼らず、家計改善だけで借金返済もできそうです。これらはいわゆる「日々の心がけ」が必要になる方法であり、年単位で努力をし続けるというのにはなかなか難しいものがあります。


 そこで無理なく支出改善できるものとしては、携帯電話を格安ケータイにする、利用頻度の低いサブスクリプション(定額制)サービスを解約する、自動車を手放す、保険を解約する、家賃の安いところないし実家に引っ越しをする等の手段がおすすめです。これらは、努力の継続ではなく、自然と生活費(支出)が抑えられるということにつながります。

 任意整理の支払期間の平均は、3年から5年程度です。今回は、計画的に完済というゴールを目指すためのポイントをご紹介しました。当事務所では経験豊富なスタッフが在籍しておりますので、何かお困りなことがある方は気軽にお問い合わせください。





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