あなたが突然、会社から解雇を言い渡されたとき、その理由が正しいのか、不当なのか判断が難しいケースがあります。
ご自身で不当解雇であると判断したとき、相談先としては、労働基準監督署などがありますが、こちらは労働基準法に違反した場合に指導を行う機関であり、代理人となって会社に直接解雇無効や未払い賃金の請求してくれるわけではありません。
一方で、弁護士に相談することで解決できる問題は多くあります。弁護士に相談するメリットについて説明しましょう。
まず1つ目は、その解雇が認められるのか、それとも不当解雇にあたるのか、法的な見解のアドバイスが得られるということです。会社が労働者を解雇するためには厳格な基準が定められており、不当解雇かどうかという基準の見極めはかなり難しく、専門家の見解も分かれますが、弁護士であれば一定程度の判断は可能です。
また、不当解雇で争うには様々な証拠が必要です。例えば、雇用契約書や就業規則のような書類や、解雇の理由となったやり取りの記録などです。弁護士への相談によって、証拠の集め方を具体的に知ることができます。
2つ目は、弁護士はあなたの代理人となり、会社との交渉を行うことができます。具体的には、内容証明郵便の送付や、その後の会社とのやり取りなどです。
労働者本人が不当解雇を訴えても、相手にしてくれない場合もあるかと思います。弁護士をつけることによって、会社側はいい加減な対応ができなくなり、会社側の姿勢を変えることがあります。弁護士の名前で内容証明郵便が送られてくれば、会社側は「裁判で訴えられるかもしれない」というプレッシャーを感じ、真剣に対応してくれることでしょう。
また、不当解雇の問題を本人が会社と直接やり取りをすると、大きな精神的苦痛を被ることもあり得ます。当事者同士のやり取りは感情のもつれとなり、本人が嫌がらせを受けることもあるかもしれません。その点、弁護士が会社側との交渉を行えば、本人は会社側の担当者と顔を合わせて直接対応することがないため、手間も精神的苦痛も軽減されるメリットがあります。
さらに、会社と交渉しても問題が解決しない場合、労働審判や裁判をする必要が出てくるかもしれません。そのような場合には法的手続きや、証拠による立証などの専門知識が必要となるため、弁護士に依頼することによって、適切な方法で解決までのサポートを受けることができます。
3つ目は、解雇の無効を理由として、未払い賃金の請求や復職ができるかもしれないこと
です。
弁護士により解雇が法律上不当であったことを証明し、解雇が無効であると認められれば、雇用契約が継続していたこととなり、その間の賃金を請求することができます。
さらに、その会社に復職、つまり再び働き始めることができます。実際には会社と争ったあとに継続して働くというのは難しいでしょうから、多くの場合は、退職することを前提に、金銭による解決がなされます。なかには、復職を希望して実際に職場に戻った方もいます。
4つ目は、相談することで新たな問題が発見され、それについても請求できる可能性があ
ることです。
解雇の無効による未払い賃金請求とは別に、未払いの残業代がある場合には、弁護士が金額を算出し請求することができます。また不当解雇に至った経緯のなかで、パワハラやセクハラなどの被害を受けていた場合には、会社に対して慰謝料などの、損害賠償を請求することができます。
当事務所においても、解雇をきっかけとして、別の法的問題、特に未払残業代が発見されたので請求をしたというケースがあります。
不当解雇の問題をご自身だけで会社側と交渉し解決することは、なかなか難しいことだと思います。弁護士に相談することで、法的な観点から具体的な解決策のアドバイスを得ることができます。会社から納得できない解雇を言い渡された際には、泣き寝入りしてしまうのではなく、まずは弁護士に相談してみましょう。
Comentarios