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執筆者の写真家頭 恵

ぼったくりBarの被害にあったらどうする??

 当事務所では、ぼったくりバーに類似の被害に遭ったという方からの依頼を受けたことがあります。新年度が始まり、慣れない土地で初めてのお店に行くようなことも多くなる季節です。バーには限らないのですが、今回は「ぼったくりバーの被害に遭った際にやるべきこと」について解説していきます。

 まず「ぼったくり」という言葉ですが、一般的な代金を超えた金額で請求されることですね。

 

 一般的といっても、どの金額からぼったくりと言えるかについては、特に定義はありません。一見かなりの高額でも、その金額が客(利用者)と店(サービス提供者)との両者の合意の上で成り立っていれば、法的な問題はありません。代金の設定は店の自由ですので、水1杯に1万円でも10万円でも、客が合意さえすれば法的な問題はありません。


 ただ、ぼったくりの特徴は、そういった金額を事前提示せずに請求することです。いくら自由とは言っても「水1杯1万円」と書いてある店に入る人はいませんよね。


 ぼったくりでよく聞くパターンは「1時間飲み放題3,000~5,000円くらい」と勧誘し来店させた後に延長料金をきわめて高額に計上する方法や、メニューにはないドリンクを頼ませて、それが1杯5万であったとか、そういうのが多い印象です。

 それでは実際にぼったくりバーに入ってしまって、異常に高額と思える代金を請求された場合、どうしたらよいでしょうか。


 ここでは必ず、支払わずにその場を離れるのが正解です。後述しますが、支払ってしまうと取り戻すことがかなり難しくなってしまいます。なお、お金を払わなかったら「食い逃げ」に当たるのではないかと思われますが、これはそうではありません。詐欺になるのは、最初から(店に入店する前から)支払う意思が無かった場合のみ成立するのであり、入店後に代金を踏み倒すだけでは詐欺罪にはなりません。これはこれで法学部の学生が詐欺罪の勉強のために学ぶ事例としてよく挙げられてて面白いのですが、ここでは割愛します。


 従業員から払えとすごまれても、断固拒否しましょう。警察を呼ぶ等してもかまわないので、まずその店を離れること、支払をしないことが大事です。「後日弁護士を通して連絡する」と言って帰るのも、手段として有効ですのでおすすめです。

 そうはいっても、なかなか簡単には帰してくれないことがあるかもしれません。しかしあなたに勇気をもってほしいのは、ぼったくりバーの従業員が客を殴ったり蹴ったりといった暴行を加えるとは絶対にない、ということです。

 

 どうしてないのか?そんな馬鹿な、と思うかもしれませんが、プロのぼったくりであればそうです。もしも殴ったり蹴ったりしたら、その人たちは刑事犯として逮捕されてしまいます。帰さなければ、監禁罪になる可能性もあります。そして警察を呼ぶ際には特に、従業員とのやりとりを録音しておくことが大切です。

 また自分の身分を明かすことを恐れる方がいますが、こういった際は、詐欺だとされないためにも自らの身分等はきちんと明かした上で退店した方が良いと思います。

 

 こうしたぼったくりを行う店に身分を明かすのは恐ろしいかもしれませんが、実際のところ、ぼったくりバーがさらなる追い込みをかけることは考えられません。もしぼったくりバーが弁護士や裁判所を通した手続きを行うとすると、むしろ、自分たちの身分を明かすことになり、それは店側にとって逆にリスクだからです。次項で解説します。

 取り戻す方法は、絶対にないわけではありません。

 しかし残念ながら、法的な手続きで取り戻すのはかなり困難です。


 民事手続で法的な手続を取るためには、その相手を特定しなければならないという問題があるからです。


 もし詐欺や恐喝ということで警察が動いてくれれば、それは警察が特定してくれますので、ダメ元で警察に相談してみるとよいかもしれません。

 警察に動いてもらえない場合、店の場所や名前がわかっていても、店の運営主体、つまり、その店が個人経営か会社で経営しているのか、経営者は誰かまでを特定しなければ、裁判ができません。


 一般的には、こうしたぼったくりバーは店を街中で堂々と宣伝したり、インターネットに引っかかるような情報公開をしたりしていることはありません。あったとしても、運営主体は隠している、なかにはその店の従業員ですら運営主体を知らないということがありえます。


 そのため一度支払ってしまうと、その取り戻しはかなり困難になってしまいます。このあたりは法的整備が待たれるところですが、原状はどうしようもありません。


 ただ逆を言えば、ぼったくりバーの従業員たちも身分を明かして請求できる立場にはないということです。法的な請求を行うためには、相手の情報はもちろん、こちらの情報(住所・氏名)を明らかにする必要があります。


 運営主体が特定されれば裁判や差押がなされる可能性があるため、容易に身分を明かすことができません。そのため先述のように、ぼったくりバーにこちらの身分を明かしたところで、後で請求されるリスクはきわめて低いのです。

 この記事を読んでいるいままさにぼったくりバーの被害に遭っているという方は、この記事に勇気をもらって、まずは脱出しましょう。もしもそのあとも請求があるようでしたら、ぜひ当事務所にご相談ください。ご安心ください、当事務所の実績としては、こうした請求はすべて撃退しています。



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